ところで、琴平が文学色ゆたかなところだって知ってました?
例えば……
*「金刀比羅参詣続膝栗毛(こんぴらさんけいぞくひざくりげ)」
作者は「東海道中膝栗毛」で有名な十返舎一九。
前作同様、おなじみの“弥二さん喜多さん”が、「東海道中…」で到着した大阪から、今度は金刀比羅に向かうってお話。
見どころは、当時の道のり…海から船で丸亀に渡る場面やら、途中の旅籠屋・茶店なんかで出会う人たちとの滑稽なやりとり…中でも方言でのやりとりに注目!
「東海道中…」は本格的なものから優しめのタイプまで幅広く出ていて、私も学生時代に読んだことがあるのだけど、“弥二さん喜多さん”が動けば、なぜか行く先々でハプニングが起こる!
それが面白くて一気に読み進めた記憶があるから、この「金刀比羅道中…」も、現代訳(わかりやすくなってる)ものがあったら、読みたいなぁ。
*「金毘羅船利生纜(こんぴらぶねりしょうのともづな)」
十返舎一九に続き、こちらは滝沢馬琴著。
滝沢馬琴といえば「南総里見八犬伝」が有名ですよね~。この物語も好きだったなぁ…。
大まかなあらすじは、金毘羅への道中、船の中で旅人が、他の旅人たちに語り始める…。
その内容は、日本と中国、そして時空までも超えてのSF大作ばりに奇想天外だった…。
どうやら「西遊記」を訳して聞かせてたらしいのだけど、聞かされた旅人たちは、それこそ“なんじゃそりゃ~”てな感じだったでしょうね(笑)。
冒険活劇…それも、お猿にかっぱに豚さんに…坊主!……私、今でも定期的に読み返すくらい大好きな一冊。
ちなみに、「西遊記」で孫悟空が産まれた“花果山”が“象頭山”!!!
これ知ったら、次回からこんぴらさん行く度に、単純な私は脳内に、孫悟空が飛び出してきちゃうよ(笑)。
これも、読みやすいタイプあったら、読みたーい!
きっと、他にも“琴平”、“こんぴらさん”が出てくる小説あるんでしょうね。
そして、今もむかしもたくさんの人たちが、おまいりに足を運ぶこんぴらさん。
その中には、現代までも名を残す文学者も、もちろんいました。
そんな文学者たちの足跡が、句碑になってるんです。
*小林一茶句碑
(こんぴらさん表参道を宝物館に入る角にある)
「おんひらひら 蝶も 金毘羅参哉」
寛政六年(1794年)に、旅の途中、一茶のうしろを蝶がひらひらとついて来ていたのを詠んだ句。
可愛らしくてわかりやすいですよね。
“おんひらひら”というのが、これからこんぴらさんへおまいりに行く、少し浮足立ってる様子は、人間も蝶もおんなじ……そんな気がします。
*与謝蕪村句碑
(公会堂、藤棚にある)
「象の眼の笑いかけたり山桜」
何度か讃岐を訪れた蕪村が、景色を詠んだもの。
“象の眼”は、やはり象頭山の、ちょうどそんなあたりに、山桜があって、春にはふわりと咲いていたのかも。
*北原白秋歌碑
(奥社への参道にある)
「守れ権現夜明けよ霧よ山はいのちのみそぎ場所」
このひと節(と言うのかな?)、慶応大学山岳部歌の出だしにも使われているんです。
もちろん、北原白秋作詞の歌なんだけど、遠く離れた慶応大学とこんぴらさん。
同じ言葉が、こうして大切にされてるというのは、不思議な気がします。
歌碑の文字は、書の大家、安東聖空によるもの。
*入江為守歌碑
(裏参道の時雨丘にある)
「あまねくもふれわたらむ神のます ことひら山のゆふたちの雨」
入江為守さんとは、明治から昭和の前期において貴族院議員・官僚・歌人と広く活躍された方。
東宮侍従長子爵でもあったそう。
そうねぇ…
この世の隅々までお守りくださる神様がいらっしゃる、ことひらの山に夕立ちの雨が降ってる……。
この雨は、優しい雨なのか、それともしっかりと強い雨なのか。
*吉井勇歌碑
(宝物館奥の裏参道にある)
「金刀比羅の宮はかしこし 舟人か流し初穂をささくるもうへ」
吉井勇は、京都ゆかりの歌人。いくつかある記念館のひとつが、同じ四国、高知県香美市にもあるようなので、興味を持った方は、足を伸ばしてみるのもいいかも。
これは、こんぴらさんに伝えられてる“流し樽(金毘羅樽)”のことかなぁ。
金刀比羅におまいりにこられない人たちが、お神酒の樽を海に流すと、ちゃんと届く…。
なんともロマンティックというか、さすがの信仰の地のお話ですよね~。
いくつか、ご紹介したけど、日本語って綺麗だし、いいなぁって思いませんか?
昔の難しい言葉や言い回しも、少し柔らかく考えると、その意味に感動しちゃうときがあります。
あ、解釈は私なりのものなので、悪しからず!
それぞれがまた違った考えを持つのもいいもんです。
さてさて、少し働かせた頭を休ませましょ。
*カフェ&レストラン 神椿(かみつばき)
電話番号 0877-73-0202
基本的に無休(レストランは月曜夜休)
営業時間
カフェ 9:00~16:50
レストラン 11:30~14:00、17:00~20:00(夜は前日15:00までの予約制)
金刀比羅宮境内にある、唯一の飲食店。
運営は、お味は大好き資生堂パーラー♡
一階がセルフスタイルのカフェで地下一階がレストラン。
セルフだからとて、あなどるなかれ~。
さすがの資生堂パーラー。メニューも充実。
神椿パフェはぜーったいに食べて欲しいし、サンドウィッチも美味しいの。
時間的にカフェしか行ったことないんだけど、いつかレストランの方でも食べたいと思ってる。
あぁ、書いてる今も、食べたくなる(笑)。
あ、神椿行ったら、
一面の陶版壁画…椿を模してるんだけど、見事だから、必見!!
ゆっくりと句碑や歌碑をめぐって、カフェで甘いものや美味しいもの…。
こんぴらさんのそんな楽しみ方もいいでしょ(*^-^*)
最近のコメント